一通り笑い終えると、美咲の家に場所を移すことにした。
散乱した服から適当にロンTとハイウェストのスカートを取り出し、着込んで家を出た。

「やる気ない服ねー。オシャレ感はあるけど、合コン向きじゃないし。」

玄関を出た所でジロジロと見られた挙げ句、文句を言われた。

「私がやる気ないから自然とコーディネートもつられちゃうのね。ほら、あんたの空回りしたオシャレをなんとかしなきゃでしょ。さっさと行くよ。」

鍵を閉めて美咲の背中をポンと押して歩き出した。
美咲のマンションは私の部屋からそう遠くない。
歩いて15分程度だろうか。
大学が一緒なのだから部屋が近くになるのも当然だと思うかも知れないが、案外そうでもない。
M大学はキャンパスが都心にある。
そのまわりに部屋を借りるとなると、かなり高い家賃のところしかない。
だから、敢えて少し離れた所に借りる人もいる。
その上、周りに借りる場合でも選択肢が多すぎてなかなか近くになるということは珍しい。
実際、お互いの部屋が近いと知った時はかなり驚いたし、他に近い人は見たことがない。