バスタオルを体に巻き美咲のもとに向かった。
ドアを開けると部屋中に服が散乱していた。
A型の私にはたまったもんじゃない。

「なにしてんの。服見るのになんでそこまで汚す必要があんのよ。」

ソファーに掛けられている服をたたみながら美咲の隣に座った。
反応がないので顔を覗き込むと、何か気に入らないことでもあったのかムスッとしている。

「どした??」

さすがに不安になり尋ねてみる。

「有里はいいよね。かわいい服似合うしさ。私とは正反対。」

意外な応えに即座に反応できなかった。
正直、今さらとしか言いようがない。
私は小柄で色白、さらに美咲の切れ長な目とは反対のまん丸な猫目。
一緒にいると周りにはよく異色のコンビだとからかわれていたし、会った瞬間自分達でさえ正反対だと感じた。
だから惹かれたというのもあった。
色素が薄く猫っ毛の私は美咲の真っ黒なストレートヘアに憧れた。
逆に美咲は薄茶色の目を綺麗だとよく言っている。
しかしそれは憧れの領域であって、相手のようになりたいということではない。
それぞれ自分の容姿を認めた上で自分にないものを持っているから羨む、それだけのことだ。
こんな風に言われたのは初めてだ。