『初めまして。桜井綾乃です!よろしくお願いします。』


「あ〜綾乃ちゃん初めまして!僕ら今回のドラマに関わってるものなんだけど、まぁ座ってよ。」


緊張して私だったけど、話しやすい人達ばっかりでドラマの話も進んでいった。


今回のドラマは恋愛もので、私は主人公の妹の役らしい。……んだけど、セリフもたくさんあって大変そう。


「あ、それでね!この台本にも書いてあるんだけど、途中でキスシーンあるんだよね。……大丈夫?」


『え、キ…キスシーン!?そ、それって……絶対なんですか?』


初めての出演でこんなこと言うのは甘いかもしれない……けど絶対怒るよ祐介……。


それに私も祐介以外なんか嫌だよ…。


「あ〜やっぱりそうなるよね?けどね今回のキスシーンはキスしてる振りをしてくれるだけでもいいんだ。まぁ…そりゃ、本当にキスしてくれるんだったら全然大歓迎だけどね。」


ニヤって笑いながら言う関係者の方には悪いけど……


『すいません…今回は振りでお願いします。』


「わはは、全然おっけーだよ!じゃあまぁ今日話した感じで撮影進めていくんでよろしくね。」


『はい、よろしくお願いします。』


「じゃ次は顔合わせの時に!共演者の人達は台本に書いてるから見といてね!じゃあまたね。」


そう言うと、関係者の皆は次の打ち合わせに出ていった。


『忙しいんだなぁ。』そんな事を思っていると、湯井さんに「舌もいれますよ!ぐらいの勢いでいかなきゃ。」と怒られた。


舌って……


けど初めが肝心だしね。頑張んなきゃ!