「そろそろ、帰るね」
言いながら、たたんできた着替えをクローゼットに入れて、かわりにせんたくものをカバンにつめた。
「本当にごめんね、実桜。ママなんでもできるのに、本当は・・・」
「だ~め。ママはそうやっていつも無理しすぎなんだよ。ゆっくり休むのが一番の療法だって、先生も言ってたじゃん。私も花嫁修業のつもりでがんばるからさ」
「実桜・・・」
ママは私が佑と別れてることにきっとずっと前から気づいてる。
けど、何も言わない。
あんなに佑を気に入ってたのに、この数ヶ月彼の名前は私とママの間でも暗黙のうちに禁句みたいになってた。