「あ、倉吉さん昨日なんかすごく、どういうかワイルドな・・・・男の人が・・・」
あはは、と笑いが出る。
元のことだ、きっと。
「あのひとは、もしかして・・・彼氏、とか?」
「違いますよ~!幼馴染、というか・・・うん。親友です」
「そっか~・・・私はてっきり・・・」
「??」
「だって、今までに見たことがないような顔、倉吉さんがしててちょっとびっくりしたものだから」
え?
どんな顔だろう。
「最近、フロアーに出ること多くなったよね」
「はい・・・?」
「皆応援してるからね。倉吉さんが何を抱えてるのかはわからないし、聞かないけど、きっとあなたはフロアーに出て、利用者さんと触れ合うことがきっと合ってるんだと思うよ」
「藤さん・・・」
「ま、お互い無理せず、独身って事にもあせらず、気楽に行きましょう!・・・あ、バスが来たみたいよ・・・それじゃ明日」
私の乗るバスのドアが開いて、私はもう少し藤さんと話をしたかったのだけど、不意に涙が出そうになって、それをごまかすようにバスに飛び乗って頭を下げた。
いつも・・・ありがとうございます。
扉が閉まる間際
「お母さんによろしく」
といわれたから、私は再び頭を下げた。