「お前、実桜の彼氏?」



「は?誰?」



その言葉はうそをついてるのでもなんでもなくて、本当に「実桜」という人物を知らないように思えた。



どういうことだよ?



後ろを振り返りチエを見ると、チエをかばうようにジュンがその男に言った。



「ほら、夏ごろ俺たちと会ったの覚えてない?髪の毛の長い女の子とキミは手を組んで・・・」



「あぁ~~!」



男は何かを思い出したように上を見上げて、一言言った。



「人助け。てかバイトでね。俺拾われちゃったの」



と言ってうひゃひゃと笑った。