「実桜から・・・って別れたらしいよ。あんまり佑さんもそれについて言わないものだから・・・」



唐突に始まった話は、皆のドリンクが残されたテーブルの上で始まった。



「実桜もね、何も言わない。けど・・・佑さん何度も何度も実桜と連絡とろうってしてたんだけど、実桜は出ないし。家に行っても、いなかったらしいのね。


ほら、実桜のお母さん少し体調が悪いって検査入院してるから。」


それは・・・短大に進んだ頃から実桜も悩んでるのを知ってた。


原因がよくわからないのが怖いって。


「マンションにもいないし、職場に行っても取次ぎはされないし・・・それでも佑さんはあきらめなかったんだよ。いつか絶対に戻ってくるって信じてたみたい」



「夏前だったよな?久々に皆で集まろう、って言ったときに、実桜ちゃん来たのって」


ジュンが腕を組みながら思い出すように言った。


「男を・・・・・・連れてきたんだ。あれはきっと佑が来るって知ってたんだろうな。で、わざと・・・」


「私達も正直その時そういう状態になってるってわかってさ、もう本当、さっきのアンタみたいにパニックよ。実桜は腕を組んで知らない男とべたべたしてるし、佑さん・・・すごくかわいそうだった」


「あいつ・・・あれから荒れてたもんな。俺は医者のほうには行かなかったからわからないけど、加奈子やヒロに言わせるとそれからかなり変わったらしい・・・」


「あの子だよ。あの女と付き合うようになった頃からなんか佑さんおかしいもん」


俺は黙って聞いてたけど、


だんだん自分の握りこぶしに力が入ってくるのがわかった。


抑えようとするのに、抑えきれない想いがこみ上げる。