誰も何も言わない中、祐さんが、口を開いた。


「この人は俺の婚約者なんだ」


は??

は??


何言ってんの?


「来年の春、卒業と一緒に結婚するつもりだ」


「お前っっ……!」


がたがたっと椅子が倒れて、俺は考えるより先に祐さんの胸元をつかんでた。



「あいつは?」


「……」


「実桜は?どうしたんだよっ?!」


「……別れたよ」



は?



俺は祐さんの胸元をつかんだ力をするすると解いた。



さっきの実桜の最後の表情がわかったような気がした。



でも、あいつ……すげーさみしい顔してたんだ。