「それにしても、お前よく結婚できることになったな」
チエの頭をはたくと、
「あんたに言われたくないよ!」
とふくれっ面をするのは前からずーっと変わらないな。
いつもこうやってふざけ合ってたから、なんか少しさみしいな。
「そうだ。さっき実桜にあってきたんだけど、今日ごめんね。って言ってたぞ」
また、場の雰囲気が少しこわばる。
「なんか…お前ら変じゃね?」
「そんなことないよ~」
陽太郎が笑ってグラスのビールをのみこんだ。
「そっか…チエが結婚か…次は誰だ?こうちょくちょく帰ってくるのは大変だからまとめてもらえると、助かる!」
「あんた、また行くつもりなの?」
「あぁ。気が向いたらまたな」
「次あんたじゃないことだけは確かだね」
チエが俺の胸をバンと叩いた。
「うるせぇ……次は…陽太郎んとこか?それとも…あぁ、やっぱり実桜んとこか?な?」
見回す俺の顔を誰も見ようとはしなかった。