「実桜、あいつとは仲良くやってんだろ?」



そう訪ねた俺の言葉に実桜は少しさみしそうに笑って、何も言わずに手を振り続けてた。



聞こえなかったのかな?



俺は何となく感じた違和感を胸に図書館を後にした。



そういえば……



なんとなく元気がないように思えたのは、



あいつが社会人として働いてるのを初めて見たからかな。




俺はその時はのんきに「日本のサラリーマンは大変だな」なんて呟いて



そこから離れたんだ。