「あぁ。大丈夫だよ。ごめんな。いきなり」


ドアのところでヒロと話すミオの声しか聞こえなくて、



俺は必死に彼女を見ようと体を起こした。



「ミオ…」



やべ…なんか泣きそうかも、俺。



きっとまた走ってきてくれたんだろう、ほんのり上気したピンク色の頬のミオは、荒い息を肩でしている。



「祐……大丈夫?」


「あぁ」


なかなかベッドに近寄ろうとしないミオの背中をヒロがポンと押しだした。



そして、振り返るミオにドアを閉めながら言うんだ。



「じゃ、お邪魔ものは消えるな。ミオ、祐が泣いてたぞ?」


「ヒロ!変なこと言うなよ」


「はは、今回は本当だったろ?」


と言ってミオに軽く手を振り、ヒロは病室を出て行った。