「ごめん。そんなことがあったなんてしらなくて…」
口を手で覆ったまま、ヒロが言いにくそうに言葉を切り出した。
「いや、俺は絶対に別れるつもりなんてないから。だから誰にも言ってなかったんだ」
「そうじゃなくて!そうじゃなくて…その…」
「ヒロ?」
口ごもるヒロはバツが悪そうに、もごもごと口を動かした。
「いや、その…お前が本当に倒れたぞ、ってあいつにメールしちまったんだ…」
ミオに?
「メールの返信はないんだけどな…」
あげかけた頭はむなしくまた枕に落ちた。
「ごめん…っ。勝手なことして」
「謝るなよ、ヒロ」
きっと、今だけだよ。
すぐに仲直りするから、大丈夫。
けど…やっぱり本音はキツイな。