「祐、ミオとなんかあった?」



隣のゼミクラスのヒロが声をかけてきたのはその時だった。



川瀬はなんとなく苦手な様子で、手に持っていたコーヒーを飲んでいる。



俺は、母さんと川瀬の話の疑問を頭の隅に持ちながら、



ヒロに促されてその場を離れた。



「祐、お前、おいっ」



ヒロの心配そうな顔が急にぐにゃっと崩れたかと思うと、



もうその声を聞くことはできなかった。



俺は床に崩れ落ちていたんだ。