「どうする?…って、ミオ?」
桜の木から視線を外した祐が私の顔を下からのぞきこむ。
いや、
見られたくないのに。
この涙を。
祐は何も言わずにただ黙って私の肩を抱いた。
「また、見れるよ。いつでもこれからもずっと…」
祐……違うの。
本当は、違うの。
「ミオ、これからもずっとずっとずーっと、毎年こうやって桜を一緒に見ような」
「祐…」
「あ~~、泣くなよ。一応これでもプロポーズのつもりなんだぜ?」
そう言って私を抱きよせた祐の胸からはドキドキと鼓動が聞こえる。
早いリズムのそれは、抱き寄せられた私のと共に共鳴し合う。
祐、好きだよ。
これからも、ずっとずっと大好き。
何度も心の中でつぶやいた。