「祐!雨があがったね!」
「お?おぉ…」
私は勢いよく祐の腕に自分の腕をからませてくっついた。
そうすると泣きそうなこの顔をみられることはない。
「祐…桜咲いてるかなぁ…」
「どうだろ?さっき雨降ったもんなぁ」
「…行きたい!あそこへ行こう!」
「どうした?急に…」
顔をのぞきこまれそうになったから、私は祐の腕をひっぱってわざと急いで歩いた。
私たちの始まりの場所。
不思議なつながりだったよね。
あの時の二人ももしかして、こんな気持ちだったのかな。
今、改めて感じるよ。
だって、
私は…
私たちは…
そこで別れることになるって、わかってる。
あの始まりの場所が、今終りの場所になるんだって、わかってるから。