「本当に、なんでもかんでもうるさいんだよ」
と続いたのは、教授の話で、私は雅さんの話が出てこないことにほっとしていた。
「けどさ～、俺医者としては教授を尊敬してんだよね…。
あんだけ学生には厳しいけどさ、もちろん手術とかそういう技術もあるけど、なんかさ…回診のときとか、教授が回った後の患者さんがほっとした顔をしてるんだよね。
俺もそういう医者になりたい。って思うからさ…あ、なんかくさかった？」
「ううん…ねぇ、祐…」
「ん？」
祐の手を握って、勇気を出す。
「祐はお医者さんになりたいんだよね？」
「あぁ。教授にもあこがれてるし、父さんにも憧れてる。いつかは二人と一緒に肩を並べて仕事ができるようになるのが俺の今の夢」
「……そっか……そうだよね…」
「どした？」
「ん？なんでもない！」
私は上を向いて笑って見せた。
「じゃ、ゴルフも頑張らないとね！」
「そこからか～～…！」
下を向くと絶対に涙が落ちてしまうから。
