「雨あがったね」
空を見上げて話す祐はいつもと同じ。
「ミオ、ごめんな。いきなりでびっくりしたろ?でも父さんすごくお前のこと気に入ってたぞ。かわいいな、って。…ってそこは少し腹が立つけどな…?あれ?」
祐が少し照れながら話す言葉は、どれもがとても嬉しくて、
本当は嬉しいはずなのに。
私は心から笑うことができない。
「ゴルフ…始めるんだ?」
「あぁ、逃げてきたけど、どうしてもだめだ。あの教授うるさいんだよな~…」
「恋愛禁止、とか?」
「え?なんで知ってんの?」
「なんでも知ってるよ?」
「…あ。川瀬だろ?」
ズキン…
嫌だ、その名前、聞きたくない…。