何?



身構える私に雅さんはもう一度ふふと笑って言ったんだ。



「今日はさよならを言いに来たのよ」



「え・・・?」



さよなら?



「私ね、大学を卒業したら留学しようと思ってるの」



「え・・・?」



結婚は・・・・・?



雅さんは一瞬少しだけ悲しく暗い顔になってそれでも、すぐに笑って見せた。



「だからね、佑さんのこと、ふっちゃった。婚約も解消」


「雅さん?」


「あんな生返事ばっかりする男、私タイプじゃないもの」


そうやって、私の顔をまっすぐに見つめる。



「私ずっと佑さんが大好きだったの。でも、その佑さんは、あなたがそばにいる佑さんだったのね・・・」



胸がズキンと音を立てる。