私が受け取らない封筒をちらっと見て、祐のお母さんはため息をついた。



「相手のお嬢さんもお待ちだから、出来れば早めにお願いしたいのだけど…」


「相手のお嬢さん?」


「祐と同じ大学に行ってるのよ」


はっと浮かんだ、直感。


「お名前は…もしかして」


お母さんは私の様子を見て何かを悟ったのかあっさりとその名前を出した。


「川瀬雅っていう製薬会社のお嬢様よ。目指すところも同じだから、祐ともきっと気が合うって思うわ」


ガンガンと続けて頭を殴られてる気がする。


もう、言葉は出なかった。