元がリュックを持ち上げ、立ち去る時に、
渡された小さな紙。
そこに並んだ番号は、きっとミオのものなんだろう。
けど・・・
「佑さん!」
ふらふらと振り返ると、そこには心配そうな顔をした雅が立ちすくんでいた。
「皆が、佑さんが喧嘩してる、っていうから・・・」
「あ・・・ごめん。でもなんでもないから」
俺の腫れた頬を触る彼女の手は少し震えてた。
俺は・・・・・・そのメモをくしゃくしゃにしてポケットに突っ込んだんだ。
俺の道は、もう決まってるから。
俺が決めたから。
ごめんな。
お前が流してるかもしれないその涙を俺は拭いてやることは出来ないんだ。