何度も言うけど、


俺はわかってたんだよ。



けど・・・・・・やっぱり辛いな。



いつのまにか頬に伝う涙をぬぐいもせずに俺は声を殺し続けた。



実桜。

実桜。


ずっとずっと好きだった。



窓のカーテンがもうすぐ夜明けが来るのを教えてくれる。



俺は、彼女を起こさないようにそっと頬にキスをして、



「実桜・・・またな」




彼女のアパートを後にしたんだ。



ごめんな。実桜。


絶対に幸せになれ。


・・・・・・幸せになれよ。