「実桜・・・?」
滑らかに降りていく唇が、ふと止まる。
「泣いてる?」
かすれたような元の声が、近づいて、
私の目に優しくキスをしてその涙を吸い取っていく。
「やめる?」
「ううん・・・」
ううん。
私はこれで変われる気がするから。
元のそばで生きていける気がするから。
元によって、首筋に落とされるキスに、私は目を閉じた。
体中からゾクゾクするような感覚が湧き上がってきて、私を包み込んでゆく。
けど。
再び降りてゆく元の唇がふと止まり、そして
「実桜・・・力入りすぎ・・・・・・」
という声と共に、私のおでこにふっと息を感じると同時に軽く唇があたった。
元?
そっと目を開けると、元は少し切なそうに笑ってた。