ドアを開くと、真っ白いカーテンが少し揺れたように見えた。



「どなた?」



細い声が聞こえて、私は勇気を出して顔を上げた。



「実桜、さん?」



「お久しぶりです」




目に映るのは、私が知ってる佑のお母さんよりもひとまわりもふたまわりも小さく細くなった女性の姿だった。



佑のお母さんは口を手で覆って、絞るような声を出した。



「実桜さん・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」



そうして、ベッドの上で深く頭を下げる佑のお母さんに



私は一瞬何も言えなかった。