「俺、もうすぐで仕事あがりだから、待ってて」


途中、テーブルに来た元が、そう言うと、


ヒロは残念そうに、


「お前とまだ飲みたいんだけど、今日今からちょっとよらなきゃいけないとこあるから、悪い。また今度」



というのを聞いて、元は



「じゃ、今度ヒロのおごりね」



なんて笑って、それから私の方を見て、



「送るから、待ってて」



って一言言って歩いていってしまった。



それを見て、ヒロはサラダにフォークを突き刺しながら聞くんだ。


「実桜・・・・・・もう大丈夫なのか?」



何を聞かれているのかわかる。


「・・・・・・わかんない・・・」



正直どうなのかわからない。


けど・・・



「大丈夫にならなきゃ、って思ってる」



忘れなきゃならない、って言う言葉はもう使わないから。



私はカウンターでお客さんと話をしてる元をちらっと見つめた。