落ち着いた雰囲気のお店の中で
私達の座ったあたりだけが異常な盛り上がりを見せる。
「ジュン、やったなぁ~」
「チエ、おめでとう!」
私とヒロが口々に言う祝福の言葉に、ジュンもチエもすごく嬉しそうで。
とても幸せそうだった。
「チエ~~~。私もすごく嬉しいよ」
「ありがとう、実桜」
不思議。
そんなことを聞いたら、急にこの椅子は冷えないかだとか、不安定じゃないかだとか、禁煙席にしてもらったほうがいいんじゃないかとか、
いろんなことが気になってくる。
そんな私の心配を「大丈夫大丈夫」って笑っていうチエの顔は、
今までのどの彼女の表情よりも幸せそうで、そしてすごくきれいだった。