そんな私に気づいてるのかどうか、チエは嬉しそうに話しはじめた。



「この店さ、今結構雑誌とかにも取り上げられてる評判の店らしいよ」


「そうなの?」


ジュンがクラッカーをつまみながら相槌をうつ。


「でさ、チエがうるさいんだよ。連れてって欲しい、って」


ジュンがチエをちらっと見ながら笑って言った。


チエが口を尖らす。


「だってさ〜。結婚前はよくこんなお店とか連れてきてくれたのに…ジュンてば、全然なんだもん…」