白衣を着た学生が明らかに毛色の違う俺をちらちら見ながら歩いていく。



ええっと。



昨日・・・ヒロに電話で聞いた、彼がいつもいるところ・・・。



あ!



木漏れ陽の中、ベンチに座る彼を見つけた・・・



その目は遠い、遠いところを見つめているようだ。



俺には気づかない。



「佑さん!」



声をかけると、我に返ったように、佑さんが俺を見た。



「元・・・」



久しぶりに見る佑さんは、なんか雰囲気が変わったような気がする。



目だ・・・。



高校時代の佑さんとは全然違う。


暗く重い影が広がったようなその瞳に見つめられ、



俺は挨拶さえなかなかな言い出すことが出来なかった。



チエの結婚式の時から、また変わってる・・・。