「あれ?実桜ちゃん、もう行くのかい?おじさん一緒に飲もうと思ってたのに・・・」



玄関先に顔を出したおじさんが、ワインのボトルを見せて残念そうに声をかけた。



「おやじ、なんかやらしいんだよっ」


「なんだとっ?親に向かって!」



私とおばさんはそのやり取りをみてくすくすと笑っていた。



「実桜、行くぞ!」



「あ、うん!」



そして、見送りに出てくれたおじさんとおばさんに深く礼をして元の家を後にしたんだ。