「ここだよ」
私は上を見上げてあんぐり…するしかないでしょ~?この家。なにこれ。
なんかやたら長く同じ景色が続くなぁ、って思ってたよ、さっきから。
けど、それが全部祐の家の壁だったってことが
やっとここでわかるなんて。
真っ白の壁に大きな真っ黒い門。
そこに掲げられた表札は紛れもなく、「二階堂」の文字が入ってて。
「ちょっ…祐。私こんな格好でよかったの?」
なぜかいきなり小声で尋ねる私のほうを改めて見て、
「?ミオは何着てもかわいいからいいよ」
なんて…こういう時、祐って本当に鈍感!
久々にお昼会えるからって少しお洒落してきてよかったぁ。
あ、そだ。
私はさっきの雅さんの言葉を思い出して、
ピアスを外した。
疑問はまだ残ってたけど。
そういうこと考えてる暇も余裕もその時はなかったんだ。