元の家に着くと、
おじさんとおばさnが、昔のように出迎えてくれた。
「ミオちゃん、あれまぁ。大人っぽくなって」
とおばさん。
「ま、入れ入れ」
とおじさん。
中学の頃、よくこうやって遊びに来たよね。
おじさんとおばさんの夫婦漫才みたいな掛け合いが面白くて、
元がいなくても、よくチエと寄ったことを思い出した。
「あ〜あ〜、ゆっくりはしてらんねぇんだって。三次会始まっちまう」
ネクタイを少し緩めて、元は用意してたメモを見ながら、
何かいろいろリュックに詰めてる。
「だって、ミオちゃんが家に来てくれるなんて久しぶりじゃない。ほら、ミオちゃん、ちょっとはいいでしょ。あがって?」
元は「ったく、しょうがねぇな〜」と言いながら何かぶつぶつ言ってる。
絶対、チエと元の原点って、元のお家にあると思う。
私はくすくすと笑って、おばさんの進められるまま、縁台に腰をかけた。
元はそんな私を見て、にっこりと笑いながら声を出さずに「ごめんな」と口を動かしている。
ううん。私、元のお家が大好きだよ。昔も今も。