転がるようにタクシーに乗り込むと、息を切らしながらヒロが続けて座席に座り込んだ。
「ヒロ・・・」
「何があったのかわかんねぇけど・・・一緒に行くよ」
「サンキュ・・・」
そして、ヒロが目的地を伝え、タクシーは走り出した。
高校に着くと、
照明がともっていて、夜の学校は幻想的な雰囲気をかもし出していた。
俺とヒロは学食に向かって走り出す。
入り口で、歩いてたチエにぶつかりそうになってしまった。
チエ・・・
「チエ!ミオ来てるか?」
荒れた息でチエに聞くと、チエはそんな俺の剣幕に押されたのか、
ううん、と首を横に振って見せた。
「お前・・・・・・ミオの携帯番号知らないか?」
ヒロがチエに突っかかるように聞いて、
俺は、必死で荒れた息を整えている。
チエは俺をちらっと見て、
「知ってるけど・・・」
きっと俺には教えるな、とでも言われてるんだろう。
チエは迷ったように、俺とヒロを交互に見比べた。