「ごめん!待っただろ?」
息をついて言う祐に私は首を振って見せた。
「あれ?今しゃべってたの川瀬だろ?」
祐が名字で彼女のことを呼ぶのを聞いて、すこしほっとしてる私。
なんか、小さいかも。
けど…
「ね、祐。今日どこに行くの?」
「ん~~……俺ん家?行く?」
胸がズキンとする。
「いやだった?それならいいよ」
私が何も言わないのを心配してあたふたする祐の腕をギュッと握って
「ううん…嬉しい!」
と笑って見せた。
本当は、尋ねたいことがあったのに、隠したんだ。
何で彼女が知ってるの?
……ねぇ、あの時、聞いたらよかったのかな?
尋ねてたらもしかして運命は変わってたの?