「実桜・・・」 再び近くなる唇に、 今度は静かに目を閉じた。 さっきとはちがって、少し遠慮がちに重ねられた唇は とても温かくて。 目から熱い涙が一筋こぼれ落ちた。 誰か・・・助けて。 甘えさせて欲しい・・・。 ・・・もうキスをしても、桜の花びらを見ることはなかった。 佑・・・助けて・・・。 ・・・・・・・・・