あれから2時間たった。

もう、帰ろうかなぁ〜

日も暮れてきたし、お腹も減ってきたし。

帰る準備をして外に出た。

駅までの坂道を下っていく。

駅の改札口を通ろうとしたら、見たことがある人影が目に入った。

いくら帰りのラッシュ時間で人が多くても見逃すことが出来ない。

「駿さん?」

近くに寄って話しかける。

「おー、やっと来たか!」

「い…いつから待ってたんですか?」

「んーさっき?」

絶対、嘘だ。

「…何で?」

「携帯」

「えっ?」

「ないと不便だろ?」

そういうと、携帯を私の手に置いて、私に微笑みかけた。

「別に明日でも…」

「ばーか」

コツンと私の額に軽くデコピンした。

「遠いんだから、もしもの時誰も助けてくれないぜ?」

わたしは黙ったまま顔をうつむく。

「美波?」

駿さんに呼ばれて顔をあげる。

チュッ…

ん?…えー!!