すると陸渡はポンって、 げんこつ山の狸さんを歌いだしそうに手を叩いて、 「おお、忘れてた!」 って。 きいいいっ! なめてんのか! やっぱり、私のげんこつを食らわすべき? 馬鹿にされてるんだと思って、 ぬか喜びしなくて良かったと 息を吐いたのに、陸渡は、あっさりと言った。 「ユカリは俺の幼馴染。 ついでに言えば、兄貴の彼女」