すると、意外にも、やわらかく私の手を握りなおす陸渡。


「悪い。

どうしても話がしたいんだ。

一緒に来てくれ」



いや、だから、

その子犬みたいな目でみつめるの、

本当にやめてほしい。

HRが始まるのに連れ出そうとしてる

陸渡のほうが、100%悪のはずなのに、

なんか私が悪いことしてる気になって

良心がうずくんだよぉ。



未練たらたらな私の心を見透かしたかのように、

陸渡はくすりと笑うと、

私を裏庭に連れて行った。