職員室から,教室までつながる長い長い廊下の先に,クラスのみんなが立って手を振っていた。
「しおりだぁ~!!!!!会いたかったよ~!!!」
そういって,沙羅とあゆみが走ってきた。
私に飛びつこうとする2人を阻止する美砂。
「危ないじゃん!!まだしおりは完治してないんだから!!」
目をつり上げて美砂が諭す。
「ごめんごめん!つい嬉しくて!!」
手を前に合わせて2人が謝る。
「あ!みんな,傷見る?」
「えぇ~!?ヤダヤダ!!私そうゆうの苦手だからいいよ~!!」
みんな口々に拒否する。
確かに初めてガーゼを外して外来から帰った日は,避けて血も出たし衝撃的だったけど,
でも手術の後のもっとひどい時を見ているし,もう見慣れている私は,人に傷を見せる事に抵抗はなかった。
見せられる方は迷惑だけど。
みんなの拒否をよそに,スカートの裾を持ち上げる。
拒否していたくせに,やっぱり多少は見たいのか,
顔を背けながらも,目線は足の方に向けられている。