そう自分に言い聞かせているとゼクスカリヴァ様は両手を天に向かってゆっくり上げた。


そして今までのゼクスカリヴァ様の声とはとても思えないような低く響き渡る声で私達には理解できない言葉を唱えた後、天に向かって叫んだ。


「天に仕えし者よ地へ降り立つ時が来たれ。
神ゼクスカリヴァの名の下にその姿を現せ」


その瞬間、祭壇の最上階にある台座に向かって稲妻が走り、目も眩むような目映い光が溢れ出した。


すごい・・・・・・

やっぱりゼクスカリヴァ様はすごい!


すると稲妻が収まり、おそるおそる目を開けるとその場にいた全員が息をのんだ。



台座の上に3つの光が、浮いている。

やがて弓、剣、鎌の3つの武器が光から姿を現した。


どれもとっても綺麗・・・・・


思わずうっとりと見つめているとゼクスカリヴァ様が口を開いた。
声はもとの優しい私達の知っているゼクスカリヴァ様の声だった。


「この3つの武器はね、リサちゃんとリュークくんとセシルちゃんのそれぞれの波長からできた武器なんだ」

「波長・・・?」


この時初めて、祭壇に上った人間の“リサ”が声を出した。
今まで堅苦しい空気だったから口を開こうとは誰も思わなかった。

こんな辺鄙な場所めったに来ないし、来たいとも思わないからね。


「そうだよ。君達の人間、いや・・・ソルジャーとしての波長を伴ってできた武器。

言わば、世界中の武器の中で1つしかない。自分のためだけに生まれた武器だよ」


ゼクスカリヴァ様の言葉に私はもちろん、みんな硬直した。

私はそんなすごい瞬間に立ち会ったんだ・・・・・・