私は今ゼクスカリヴァ様の部屋を飛び出し、1人中庭を走り抜けていた。


風が頬をかすめていく。

きっと私の顔は涙でぐちゃぐちゃになってると思う。

でも今はそんな事どうだっていい。


『どう?行ってくれるかな』


冗談じゃない・・・・

私なんかが行ったところで、とても“救世主”とは誰も呼べない。


たとえ、あのゼクスカリヴァ様のお言葉だとしても・・・・


今の私にそんな勇気がある訳ないよ・・・・・・



私は自分の情けなさにだんだん怒りがこみ上げてくる。


なんで私はこんな人間なの?

どうして私には勇気がないの?

あの新しい子だってとても震えてたけど、それでも勇気を振り絞って行く決心をつけてたじゃない。



なんで私はこんなに臆病なの・・・・・・?


私はその場にしゃがみ込み、肩を震わせて静かに泣いた。