ハァ~~……、とわざとらしい溜め息を一つ吐いた珪甫は、再び煙草に手を伸ばしながら口を開いた。
「彩都は……俺の従兄弟。俺の母親の姉の子。それだけ」
そう言ってライターで煙草に火を点ける。
「なるほど従兄弟ね……道理で顔が似てるわけだ」
そう頷いた俺。
……て、それで納得してどうすんだ!?
「で、なんで彩都が写真やってんだよ?」
「あ~…俺が誘ったから?」
「なんで?」
「アイツ、あんたたちのバンド辞めた後、腐ってたから。……引き上げてやろうと思って」
「……腐ってた…?」
淡々と話す珪甫の言葉に、一瞬サラリと流すところだった。
反復されたその単語に、珪甫の眉が神経質そうに少しだけ上がる。
一度深く煙草を吸い、ゆっくりと煙を吐き出した。まるで苛立ちを抑えてるみたいに。
そして俺の目を射るように強い視線を向ける。
「腐ってた。……あんたらCrimson Scarのせいで、な」