「ケイ~、彩都のこと教えてあげてよ~」

やっぱりこのドラマー、彩都と関係あんのか?!てかこんだけ顔が似てたらその可能性のが高いっつうの。

海斗が珪甫が座っているくたびれたソファーの隣へヒョイ、と飛び込むように座ってその肩をつついた。

すると珪甫はくわえていた煙草を口から離し、灰皿で押し潰す。

チラリ、俺を表情のない瞳で見つめひとこと。

「……面倒くさい」

「なっ……?!」

予想してなかった台詞に絶句。

面倒くさいで済ます気かよ!?
そう突っ込みたくなった俺だけど、ここでキレても大人げないよな、なんて自分を抑えつつ、無理矢理笑顔を作った。

「悪いけど、聞かせてほしいんだよな。なんで彩都がお前らのジャケ写撮ってんの?……てかあいつ今どうしてんの?」

答えねぇと承知しない、って気持ちを視線に込めて珪甫をジッと睨んでやる。唇には飽くまでも笑みを浮かべて。

「…………」

しばらく無言で視線をぶつけ合っていた俺達、先に外したのは珪甫だった。