「当たりでしょ~?タキはね~、ギターさえちゃ~んと弾ければ、結構他のことは気にしないんじゃない?まあ、だからこそバンドの環境、ていうか自分の周りの環境は良くしておきたい。……そんな感じ?」
見透かされてる。
そう思った。
「なんでそう思う?」
「……なんとなく?」
ニッコリ、爽やかに笑って見せた相手を見て、俺はやっぱり痛感した。
はぐらかされた……。やっぱり苦手だ、コイツ。
苦々しい思いで前を向き直った俺に、やはり能天気な声。
「ていうかタキ~、コレ、かなり注目集めてるけど平気?」
コレ?
一瞬、意味が分からなくて振り返った俺の目に、海斗が示したのは……。
さっきのカフェから掴んだままの腕。
……周りの視線が痛い。
《クリスカ・タキ!白昼堂々、男とデート!?》
そんな見出しが頭に浮かんだ。
……最悪。