「なにこれって…俺たちPRISONERのアルバムだよ~!インディーズでの初アルバム!ぜひ聴いてください!」
にっこり。まるで少年みたいな爽やか笑顔を見せる海斗に、CDを返すわけにもいかず、俺は手の中のそれを見つめた。
『PRISONER of...』
アルバムタイトルはいたってシンプル。
ジャケットもマイクが一つ、ステージ床に転がってる写真。
まあまあなデザイン…かな。なんて考えてると。
「なんで俺がオマエらの曲聴かなきゃなんねぇんだよ。いらないけど」
やっぱりライは海斗に向かってCDを突き返した。
貰っておけばいいのに、と思った俺。
「ライ、せっかくだから聴いたら?」
「あん?なんで?」
「え、だってせっかくくれるって言ってんだし。…さっきのライブなかなか良かった……よな?」
俺はショウに話を振ってみる。
突然話しかけられたからか、ショウは一瞬固まった後、そのケースを見つめながら口を開いた。