――その後、俺たちはアンコールで3曲やって、ライブは終了。

久々に気分良く終われたライブだった。






「ライ~、オマエあのバラードで泣きそうな顔してただろ?」

自分のことは棚に上げ、ニンマリ顔で俺は話し掛けた。
すると汗だくになったシャツを脱ぎながら、ライは顔を赤くした。

「う、うるせぇ!泣いてねぇよ!あれは、照明がキツすぎて目が痛かっただけだっつーの!」

「ホントかぁ?俺には泣きそうに見えたけどなぁ~」

「てか泣きそう、だろ?泣いてねぇじゃん!」

「ま~た、あぁ言えばこう言う……ガキッ」

口を尖らせるライに、俺はべ、と舌を出してやった。

そんな俺たちの間を割ったのはショウが噴き出す声だった。
見れば片手に火のついた煙草を持ちながら、小さく笑っている。