ショウも聞いて、とライは俺の横でライブ前の1本を吸っているベーシストにも声を掛け、俺たちを交互に見ながら言った。

「俺…もうサイトの事でグダグダ言わない。もちろん今でもあれは俺のせいだと思ってる、でも……出来るだけふっ切るようにする。……今すぐに、ってのは無理だけど、もう今までみたいに自棄になったりしないようにする」

俺たちは驚いて、ただライの顔を見つめていた。

「ライ……本気で?」

俺が問い掛ければ、ライは本気、と頷いてさらに言葉を続けた。

「それに、さ。さっきのアイツらの演奏聴いたら、こんなトコでこんな事で躓いてる場合じゃねぇよな、って思った」

ニ、とライが唇の端を上げて笑った。





その瞳に、久々に熱いものを見たような気がして、思わず鳥肌が立った。

あぁ……昔のライの顔だ。
野心剥き出しで、上へ上へとてっぺん目指して登って行くときのライの瞳。