――15分後。結局、俺は下手の袖に腕を組んで薄暗い光に浮かび上がるステージを睨みつけていた。
中央に据えられたマイクスタンドが冷たい銀の光を放って、俺たちを待っている。
不意についさっきまであそこで演奏していたPRISONERの姿が浮かんだ。
ただ音楽をやることが大好きで、歌うことが、弾くことが、楽しくて楽しくてたまらないって雰囲気。
彼らのキラキラした瞳と笑顔に、嫉妬している自分がいた。
俺たちはもう、あんな顔できねぇのかな…。
フッと微かな苦笑が漏れた。
諦めの、笑い。
「タキ」
すると隣から声を掛けられた。見ればそこには真剣な表情で俺を見上げるライの顔。
「なに?」
また泣き言を言われるのかと、正直めんどくさくて素っ気なく返事をした。