静かになったスタジオの中、最初に口を開いたのはプロデューサーの中野。

「で、どうする?なんなら歌詞もう一回やり直して貰おうか?カメちゃんならやってくれると思うけど」

「いや、いいっすよ。亀山さんにも申し訳ないし、ライには歌わせますから、絶対」

無表情で、冷静にいい放つショウに中野は髭を生やした顎をさすりながら、そう、と頷いた。

ショウは短くなった煙草をアルミの灰皿の中で押しつぶし、俺の顔を見た。

長い睫の揃う目が無機質。

「先に録り始めよっか、タキ」

「あ、あぁ……」

ショウの言葉に、俺は腰を浮かせた………。

その時、ふとテーブルの上に広げられた雑誌に目が止まった。