ショウのひと言に顔面蒼白なタキであった。
それを見ながらプッと噴き出したライに、タキは無言でローキックを見舞ってやる。
「いってぇ!何すんだよタキ?!」
「るせぇ、笑うなぼけ!さっさとテメェは歌録り終らせろよ!オマエが終わんねぇと次の曲いけねぇんだっての!!」
「うるさい!今終わらせるわ!一発でオッケーって言わせてやる!!」
そう宣言してライはさっさとブースの中へと戻っていってしまった。
そのライの後姿を見ながら、おっ、やる気になったな!なんて呟く東條の顔が意地悪く微笑む。
コイツ、ほんっと性格悪っ。
タキは思わず呆れ顔になってしまった。
「じゃ、タキくんとショウくん、もう少し待っててね。たぶんこのテイクでライくんはオッケーだから」
「「はーい」」
タキとショウは気のない返事を返しながら、ソファに沈み込んだ。
「なあ、オマエいつからアイツの本業がプロデューサーだって知ってたわけ?」
タキはずっと疑問に思ってたことを口にした。
すると既に煙草を吸い出したショウが、あぁ、と軽く頷いた。
「生放送でライが歌えなかった日」