「キッ、キミ最低だよ!こんな風に騙すなんて!!」
東條が責めるようにショウに食ってかかれば、全然それを気にしない様子で彼の襟元をガッと掴んだショウ。
いつの間にか笑いを引っ込めて、今度は真剣な表情に早変わりしていた。
急に真面目な視線に見据えられた東條も、戸惑ってその目を見返していた。
「これぐらいやられて当然だろ、アンタのやったこと、本当だったら一発殴るくらいじゃすまないぐらいに俺は怒ってたんだから」
静かな調子で話し出したショウは、掴んだ襟をパッと離して、それを丁寧に直してやる。
それからポン、と胸元を叩くように東條を小突いてから。
「でもま、あの雑誌と今回のインディーズ話とで取り敢えずチャラにしてやる。足りないくらいだけど、ね」
そこまで言ってから、にっこりとショウはいつもの極上スマイルを浮かべた。
「…………」
言葉も出ないのか、東條はポカンと口を開いたままで目の前の笑顔を見つめるだけ。
っていうか部屋にいるショウ以外の全員がそんな状態だったり……。
やっぱりショウは怒らせたらダメだ。うん。
改めて実感。