「返事しろって!このジジィどもが!!」

おいおい、ジジィはねぇだろうが。

心の中で軽くツッコミを入れつつも、俺はライの言葉をスルーしてだんまりを決め込む。

……1年半。東條がこのことを考えに入れてないとは思えなかった。
計算高いアイツのことだ、何か策があるのか……?

しかも契約更新の時が来たって、この事務所が俺たちをそう簡単に手放すとも思えない。きっと俺たちはアイツらのいい金蔓だし。

「でけぇ壁だな……」

ポツリ、呟いた俺の声に二人が顔を上げた。

「壁?」

ライがキョトンとした表情で口を開いた。

「あぁ、最後の難関だ。乗り越えなきゃなんねぇ……いや、ぶち壊すべき壁、かな」





そう、そんなもんぶち壊せばいい……。